書店というライフライン
Posted at 06/11/22 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
長野県にいる。
私のようなものにとって、都市と地方と一番違うのは、大きな書店や図書館がないこと、いつでも手軽に本を買ったり借りたりできないことだ。特に私の実家のある小都市では普通の書店もずいぶん店仕舞いしてしまい、郊外の大型書店に行かないと本が手に入らない。図書館もやや離れたところに一つあるだけで、借りに行くのは一仕事である。また開館は遅く、閉館は早い。
以前ならば近くの小さな書店に注文してかなり待つか、あるいは少し大きめの都市まで出かけて本を探すということしかなかった。大学に入ったときに、新宿の紀伊国屋書店に行っていくらでも本があることに感激したことは、そういう状況にあったことを考えると当然だっただろう。
ネットが発達し一般化してから、書籍も古書もネットで注文し、自宅やコンビニで受け取れるようになって、その情景はかなり変わったかもしれない。しかし「本好き」にとっては、実物の本が溢れている本屋や図書館の魅力は換えがたいものがある。
地元の小さな本屋でもいいのだ。新刊の、あまり興味がもてないような文庫やマンガ、雑誌ばかりが並んでいる書店でも、神経が行き届いている書店は気持ちがいいものだ。ないものはないとわかっているが、あるもので読めるものもないわけではないし、かえって普段読みそうもないものに手を出してみて新しい発見がある場合もある。
地元の書店、地元の図書館というのは、地元の文化にとって、また本好きにとって、ある種の「生命線」だ。このライフラインが絶たれないように、積極的に地元の書店を利用していかなければならないと思う。