『グレート・ギャツビー』

Posted at 06/11/27 Comment(0)» Trackback(0)»

今日は午後から銀座に出かける。日本橋で銀座線に乗り換え、ふと思いついて京橋で降り、明治屋の地下のモルチェで昼食。そのまま八重洲ブックセンターに歩く。一回を物色しているうちに、最近何度も目に入っているフィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』(中央公論新社、2006)をついに買ってしまった。『ギャツビー』は以前読みかけたことがあったが、放り出してしまっていたのだが、今回改めて読んでみる気になったのは、立ち読みしてみて訳が非常に読みやすい感じがしたからである。

今回の新訳は、村上春樹の訳であり、この新書版は『村上春樹翻訳ライブラリー』に納められている。少しだけ読んでみたのだが、まるで村上春樹の小説のような文章で、フィッツジェラルドの世界と村上の世界がまるで二つの色セロファン紙を重ねるように新しい色を生み出しているように見える。そしてその二つの色セロファン紙が、ほとんどずれていない。村上の小説なのか、フィッツジェラルドの翻訳なのか、不分明だったりする。村上がフィッツジェラルドに強い影響を受けたという話はよく聞くが、この本を少しだけ読んで、それはとてもよく分かる気がした。逆にこの本が公にされることで、フィッツジェラルドがまた日本で注目されるかもしれないという気もする。村上という日本の現代文学の「二十一世紀旗手」のひとりと、二十世紀の始まりのアメリカ文学の旗手との出会いは、やはり幸福なものだったのだろうと思う。

そのまま外堀通りを南下して銀座に入り、教文館と旭屋書店を物色する。教文館は配置替えをしていて、入って左側の円形に膨らんだスペースがすべて料理関係の書籍・雑誌になっているのは驚いた。料理関係に限っていえば、これはかなりの大型書店と同じくらいの充実ぶりなのではないかと思う。私は料理をほとんどしないのでそのよさは分からないが、好きな人にはぜひここで料理本のそろい具合について吟味してもらいたいものだと思う。旭屋書店は目立った変化は感じなかった。

三軒本屋を梯子してみたが、こういうサイトをはじめてみるといつもは何の気なしにぶらぶらしていた書店めぐりもある種変な気合が入っている。いいことなのか悪いことなのか、いまいちよくわからん。



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