「100カノ」歌うことの意味/「ジークアクス」マチュの異能/「Bの星線」巨女子の系譜/「ふつうの軽音部」矢賀と彩目とアップデート/あーしちゃん語録/「滅国の宦官」美男美女の宝箱/「カノッサの屈辱」から「フィレンツェ共和国」へ

Posted at 25/06/05

6月5日(木)晴れ

今朝は放射冷却か、10度以下まで下がったのだが、起きた時には汗をかいているくらいだった。布団の外に出て居間に入ってから「あれ?今日は割と気温が低いんじゃないかな?」と思ってiPhoneを見たら10度ほどだったので、ああこれはよく眠れたということなんだなと思ったり。資源物を出す準備をしたり(主に牛乳の紙パックを数本分切り開いた)、車で出かけてヤングジャンプを買ってきたり、職場で少し用事を済ませたり。ヤンジャン、ジャンプラ、Dモーニングと読みたいものを大体読んだが、今日はヤンジャンが良かった感じ。

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「キングダム」は戦国七雄の一国・韓の滅亡という大事をどう描くかというのは苦労があるんだろうなあと思う。流石にあんなに城内不統一の状態で開門するというのはありえない気がするが、先の展開を待ちたい。「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」が奇姫回で「歌うことの意味」について考えているのが良かったなと思うし、「相席いいですか?」で仙水が自分に向けられた柊さんの好意に気づいたり、「のあ先輩はともだち」で大塚の妹のれにが「自分がすぐ起こることがよくないのかな」と呟いてミカがズキューンとくるところとか、「バツハレ」の「和光の良さ」を語り合うところとか、そういう大人ラブコメ系の作品が割と良かったのもあるし、「4軍くん(仮)」「カテナチオ」「ダイヤモンドの功罪」のスポーツ系も良かった。ヤンジャンは最近ちょっと勢いが止まってきたかなという印象があったのだけど、好きな展開になるところが重なるとやはりまだまだ読み応えがあるなあと思う。

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昨日は夜「ジークアクス」がAbemaTVで見られることに気づいて第1話「赤いガンダム」を見たのだが、かなり面白かった。昔のガンダムシリーズを知らなくても十分面白いと思う。マチュの天才、というか異能ぶりがこれだけでもわかる感じ。私は6話から見ているので、あと2〜5話の4話分をみれば一応このシリーズには追いつけるという感じなので、時間がある時に少しずつ見ておきたいと思う。

昨日は午前中に松本に整体に出かける。少し出遅れたので間に合うかと思ったが少し前に覚えたショートカットを使ってだいぶ時短になり、数分前に着くことができた。やはり睡眠の質が悪いということを指摘されてまあ本当にその通りだなと思うのだけど、やはりもっと体を動かさないといけないということだなと思う。ただ操法を受けたおかげもあって、昨日はよく眠れたということはあった。帰りにスーパーで買い物し、地元に帰ってきてから直接ツタヤへ行って、ジャンプコミックスを10冊買った。

本誌連載作品では「SAKAMOTO DAYS」22巻、「あかね噺」17巻、「キルアオ」10巻、「Bの星線」1巻。の4冊。

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「Bの星線」はベートーヴェンが現代に甦ってピアノが弾けなくなったピアニスト高校男子と向き合う、という話で、ジャンプの文化系マンガはなかなか続かないなと思いつつベートーヴェンのキャラが面白いから読んでいるという感じなのだけど、あまり意識していなかったが話中に華鳳院桜花という巨女子が出てきていて、そこが一部の層に受けているらしいということを最近知った。巨女子といえばジャンプラの「ハイパーインフレーション」のダウーとか「サンキューピッチ」の阿川先生とかを書いている住吉九さんが思い浮かぶが、最近割と同好の士が見られる性癖ジャンルらしくTwitterでも話題になっていた。

ジャンプラ連載作品では「株式会社マジルミエ」17巻、「ラーメン赤猫」11巻、「ふつうの軽音部」7巻、「FIRE BALL」4巻、「滅国の宦官」1巻、「ドリブルヌッコあーしちゃん」1巻の6冊。見つからないのがあったので後で探すことにしてとりあえずこれだけ買って帰って昼食。

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「ふつうの軽音部」7巻はなんだか毎回感想を書いていたので全体的にというのはまた書こうと思うけれどもおまけマンガの矢賀と彩目が同じコンビニでバイトする話が面白く、また田口が不運に遭っていたのには笑ったが、アップデート堀井のイベントに二人で行く展開は可笑しかった。イベントは11月9日と書いてあるのでハロウィンライブの現時点(10月26日)では未来のことになるわけだが、バイト自体はすでに一緒にやってるんだろうなとは思う。ついついこういう細かいことが気になってしまう。

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「ドリブルヌッコあーしちゃん」は始まった当時、結構コメント欄に酷いことを書かれていたのだけど、最近は落ち着いてきて、「あーしちゃん語録」に注目する人が増えてきた。なかなか順位は上がらないが、今までなかったような雰囲気の漫画ではあるので、楽しみにしたいと思う。

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昼食後に少し他の用事をしてから別の書店に出かけて探したら、「鶴子の恩返し」5巻があったので買った。これで買おうと思っていたものはコンプリート。以前はツタヤの方が品揃えが良かったのだが、最近は部数が出てなさそうなのはないことが多くなってきた。やはり田舎なので揃わないこともままあり、以前は東京に行った際に買っていたが最近はAmazonで注文することが多くなった。「鶴子の恩返し」は前作の「もえばな」の時から読んでいた作者さんなので、納得感のあるエンドになって良かったなと思う。

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その他昨日読んだものでは「滅国の宦官」が良かった。オスマントルコ帝国らしき宮廷(架空の国ということになっている)のハーレムでの新人宦官と問題児の女官たち、そしてそこで起こる数々の事件、みたいな話なのだが、かなり面白い。原作が「英雄機関」の蔡河ケイさん、作画は「終末のハーレム」の宵野コタローさんで、宵野さんのコメントに「新たな境地に挑むジャンル」「美男美女を描きまくりたい」とあって確かに、と思った。「終末のハーレム」は年々厳しくなる性的表現のネットでの規制の中で頑張っている印象はあったが、女体のエロチシズムの表現という点では前作よりも今作の方がさらにアップしているように思う。また宦官の美しさも素晴らしく、第1巻にはまだ出て来ないがリブゥというキャラがよい。

トルコのハーレムというのもヨーロッパ人が妄想で描いたものと実際とでどのように違うのかはよくわからないが、架空のと銘打ったのはやはり現実よりは物語的なものに取材した部分が多いということなのかなとは思う。主人公も弱気(げ)に見えて案外強かなので、この先の展開が楽しみだ。やばい美男美女の宝箱という感じではある。

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「近代イタリアの歴史」を読んでいて自分には知らないことがあるなと再確認することがいくつもあるが、フィレンツェやトスカナ地方の歴史について、特に中世の経緯でそうなのかと思ったことがあったのでメモ。

フィレンツェはエトルリア時代にも町はあったようだが直接の起源は紀元前59年にカエサルが退役軍人たちへの土地貸与によって植民都市が形成されたことだという。ローマ帝国の分裂後、トスカナも西ローマの領域になったわけだが、その後は東ゴートやビザンツ、ランゴバルドに征服された後、フランク王国の領土になり、シャルルマーニュによってトスカナ辺境伯領が置かれたのだという。この封建的地方国家は11世紀にも続いていて、叙任権闘争の際に教皇グレゴリウス7世が皇帝ハインリヒ4世を破門したとき、教皇はトスカナ(女)伯のマティルデ・ディ・カノッサの居城であるカノッサ城に滞在していたため、有名なカノッサの屈辱事件が起こったわけである。

このマティルデが事実上最後のトスカナ辺境伯であり、1115年に彼女が死去して後継者が亡くなった辺境伯領は神聖ローマ帝国の領域になったり教皇領になったりしたが、すでに発達し始めていた都市(コムーネ)は徐々に独立性を高めていくわけで、フィレンツェではこの1115年が「フィレンツェ共和国」の成立の年とされているのだという。カノッサの屈辱とフィレンツェ共和国の成立がそのように繋がっているとは知らなかった。

その後、13-4世紀にはフィレンツェも他のイタリア都市と同様教皇派と皇帝派の争いに巻き込まれ、教皇派が勝利したもののまたその中で白派と黒派に別れた党派闘争が続いたことはよく知られている。ダンテは富裕市民派の白派に属していたがやがて封建貴族派の黒派がクーデターで権力を握り、ダンテは追放される、というようなことがあったわけだ。

この辺りのフィレンツェの都市史の年代感覚がこの本を読んだのと調べたのとで割と明確になったのは良かったなと思った。


「不滅のあなたへ」最終回:この明るさは何だろう/長嶋茂雄さん死去/「近代イタリアの歴史」どこまでイタリアか/「ジークアクス」9話:翻弄されるマチュ/韓国新大統領選出

Posted at 25/06/04

6月4日(水)晴れ

家の中から外を見るとあまり明るくないのだが、車で出かけて少し離れたセブンでマガジンとサンデーを買ってきたのだが、特に帰りの道で右側から朝日が直で当たってきて、見にくいということはないけどちょっと邪魔だなという感じ。明日が芒種、あと半月で夏至だからだいぶ朝日が北から出るようになっていて、普段とちょっと感じが違う。というより、昨日はよく寝られたので起きたのが5時になっていて少し寝坊した感がある。

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マガジンの表紙に「不滅のあなたへ 堂々完結」の文字。この作品は8年前に始まった第1回からずっと読んでいるし印象に残った場面も多かったから、またゆっくり感想を書きたいと思う。作者の大今良時さんの作品は「聲の形」から読んでいるのでこういう作品を描かれるというのは意外ではあったのだが、手塚治虫「火の鳥」を思わせる原始から現代を超えて未来までのストーリー、その中で人間とは何かという問いを問い続ける作品というのは面白い。主人公のフシはふつうの人間ではない、ある意味外部から人間を見つめてだんだんその内部に入ってくるという感じで、人間の業を描き続けた「火の鳥」とはまた違う。また、人間の歴史が終わりを告げたはるか未来の長大な物語である「宝石の国」もまたそうした外部から人間を問う話であったが、滅び=涅槃という仏教的なテーマを抱え続けていた。

「不滅のあなたへ」の最終回ラスト、フシの敵が去り、仲間たちも去ってしまった後、また一人で一から生きる、というある意味最初に戻る話であったのだけど、この明るさはなんだろう。ラストに新しい扉を開けるという展開は「聲の形」の時もそうだったけど、読む人に力を与えてくれる。まだ考えないと本当には何も言えない感じではあるが、最終的に「希望」というものを描きたいのかな、と思った。パンドラの匣の最後に残ったもの、何もない場所からの再スタート。それでもそれは過去があればこそのこと、だと。

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https://www.yomiuri.co.jp/national/20250603-OYT1T50046/

長嶋茂雄さんが亡くなった。89歳。6月3日、背番号の日でもある。昨日の夜のニュース番組、というか報道ステーションではかなり長く取り上げていたが、それは私と同世代のキャスター、元東大野球部の大越健介さんがやっている番組だから、ということもあったのだろう。長嶋さんのことはもちろんたくさんの記憶があるのだが、こんなことがあった、あんなことがあったということもまたそのうち書ければいいかと思う。ただミスターの面白エピソードというのは長嶋という選手がいかに偉大だったか、ということを知っている人にとってのギャップ萌えとしての小噺だったのが、それを知らない世代にとっては「ただのバカ」みたいになってしまっているのは畏れを知らないというか「神なき時代」の象徴みたいなものなんだよな、とは思う。

まあ語る人はいくらでもいそうなのでなんとなく自分は遠慮して、という気持ちもあるというか、自分だけのエピソードみたいなものもあまりないけれども、自分が書くとしたらマンガに関連してのことかなとは思う。今と違って私の子供の頃は平気で実名で選手たちがマンガに登場していた。水島新司の「野球狂の詩」で、長嶋の引退後に長嶋のファンが一念発起して選手になり、1年間で一本だけホームランを打って「天覧ホームラン」と叫んだり、ラストにはあの引退の場面を再現して彼の無謀な試みをバカにしていた観衆(少しだけど)を泣かせる、という話があった。長嶋という選手あるいは監督は、そうやって多くの人々を惹きつけ、人生を変えたり豊かにしたりする力を持った人だったなと思う。

ただ落合選手などは王長嶋がなかなか一億円を超えなかったので野球選手の年俸が低く抑えられてきたという不満を持っていたという話もあり、選手として初めて一億円を超えるなどある意味での批判の対象でももちろんあった。しかしすでに野球選手の契約は場合によっては数十億単位になるまでになり、全然違う時代に突入はしているのだが、しかし日本において野球というものが最もポピュラーな競技になったことには、長嶋さんの貢献は計り知れないだろうと思う。21世紀の4分の1まで長嶋さんが生きてくれたこともまた、野球界や日本文化にとっては大きなことだったのだろうなと思う。ご冥福をお祈りしたい。

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昨日は午前中になんとかブログを書いた後、セブンでお金をおろして銀行で預け入れたり、郵便局に行ったりクリーニングを出しに行ったり。それから図書館に回ってイタリアの労働運動や社会主義についての本を何か借りようと思ったのだが、これはドイツのナチズムの起源はなんとなくわかってる気がするけどイタリアのファシズムの起源の理解がなんとなくしっくりこないのでその辺を勉強し直してみたいなと思ったからなのだけど、ジャストというものは見つからなかったが北村暁夫・伊藤武編著「近代イタリアの歴史 16世紀から現代まで」(ミネルヴァ書房、2012)が一番求めるものに近そうだったので借りてみた。

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まだはしがきと第1章の16−17世紀のあたりのところを読んでいる。Wikipediaなども読みながらだが、近代イタリアはやはり南北問題がかなり重要な要素になってくるなと思った。南北格差の問題もあるが、統一の中心になったカブール自身が南イタリア、つまりナポリ王国・シチリア王国を統一する気はなかったのがガリバルディが征服してしまったので予定が狂ったとか、ガリバルディ自身は自分の故郷のニッツァ(ニース)がフランスに割譲されて怒ったとか、統一後もローマ教会と断絶状態だったり「未回収のイタリア」としてフィウメが残ったりと、「どこからどこまでがイタリアか」という問題がかなり尾を引いたのだなということもある。

これは日本のように割合境界が明確である国では(それでも琉球の帰属とか千島樺太の問題などはあるが)あまり想像がつかないが、考えてみればドイツの統一の時もオーストリアが加わるか否かという大きな分かれ目があったわけだから、場合によっては北イタリアだけがイタリアになっていた可能性もなくはないのだなと考えてみれば思う。そして近代イタリアはそのために南北問題が生まれ、国家の進路にも大きく関わることになったということなのだろう。ドイツもまたバイエルンなどカトリック圏をその範囲に組み込んだために文化闘争という形で宗教問題が起こったわけだが、イタリアの問題はそれよりかなり大きかっただろうと思う。現代でも北部同盟のような形で南部を分離せよという主張が出てくるわけではあるし。

このことと社会主義運動や労働運動の絡みについてなども考えたいと思う。

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250604/k10014824921000.html

韓国では新大統領に革新系の李在明氏が当選。かねてから反日姿勢の強い人だったので、今後の展開は注意していかなければいけないとは思うが、この人がトランプ政権との関係をどう保っていくかはよくわからないところがあり、反日とともに「アメリカと中国の間で韓国がどういうポジションを取るのか」ということも大きな問題としてある気はする。罷免された尹大統領はそのあたりが現実的な姿勢だったから安定感があったのだが、議会に足場を持てずに戒厳令という無茶をしてしまって失脚に至った。大統領が現実路線を取って議会を説得するのか、ドメスティックな議会の意見に振り回されることになるのか、なるべく安定した政権運営を期待するしかないというところか。石破政権も変な影響を受けなければいいがと思うのだが。

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「ジークアクス」第9話「シャロンの薔薇」をみた。前話で大気圏に突入していたマチュだが、今話は囚われた時のシャリア・ブル(緑のおじさん)との会話と現在が交互に出てくる展開。地球についてからは目まぐるしい展開だが、最終的には「シャロンの薔薇」が緑のおじさんたちキシリア派ジオンに回収される、ということになっていた。私は見ているのは途中からだしガンダム世界そのものを知らないのでこの辺りの過去の話や並行世界の話になってくるとふうんという感じになってしまうが、ガンダムというものも自分の意思で動いたり自分以外の意思で動いたりいろいろしていて「こういうもの」というのがなかなか掴めないが、幾つもの世界を何度もやり直しているという感じのララアのセリフはやはり「魔法少女まどか☆マギカ」のほむらを思い出すものがあった。

今回はマチュが勝手に動くというよりは緑のおじさんやララア、あるいはジークアクスの意思によって動かされているという感じでまだマチュの性格があまり掴めていない私としては翻弄の意味があまり取れないでいるのだけど、他のガンダム作品はよくわからないけどジークアクスは改めて最初から見てみる意味はあるなあという感触は強くなってきた。そういう時間がないのが残念ではあるが・・・

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今日は6月4日、天安門事件からもう36年か。あの当時に見えていた世界と今の世界は大きく違うとは思うが、少しでも良い世界になるように近づいていけると良いなと思う。

私は一通り文章を書いてからタイトルを考えるのだけど、今日のタイトルに挙げたことはみんな大きなニュースで、このほかにもウクライナの新規軸のドローン攻撃など話題にしたいことはあり、なんだかいろいろなことが起こる時には一度に起こるんだなと改めて思った。


「ふつうの軽音部」:鷹見兄の脆さと鳩野の強さ/「放課後さいこー!ポップアップ」へ行った/維新後の日本と現代のウクライナ:小国が大国中心の世界観を見返す

Posted at 25/06/03

6月3日(火)雨

昨日の朝は東京の自宅。早めにブログ/noteが書けたので少し片付けなどしてから9時半過ぎに出かける。地下鉄で大手町に行って丸の内の丸善で買おうと思っていた前田勉「近世日本の支配思想 兵学と朱子学・蘭学・国学」(平凡社ライブラリー、2025)を買う。それから歩いて半蔵門線に乗り、渋谷へ。

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渋谷はもう知っている大規模書店がなくなってしまったので渋谷で本を探すことを断念しているのだが、ツタヤが大きそうなので時間があるときに行ってみようとは思っている。外に出るとセンター街入り口のところ。ここは学生の頃しょっちゅう来ていたところだが、今になると大きく変わった渋谷の中で記憶だけで歩ける貴重な場所だなと思い、センター街を交番の方へ歩いて井の頭通りの交差点を曲がってパルコに出た。

パルコの入口は外国人でごった返していて、開店の11時まで待機。同じ目当ての客の会話が聞こえて、すぐに入れると良いなあと思っていたのだが、開店とともにエスカレーターを降りてギャラリーXを探すが、最初は少し迷った。しかし場所がわかったので行ってみると口開けの客になっていた。「ふつうの軽音部 放課後さいこー!ポップアップ」。コンセプトは谷九高校軽音部の体験入部ということだそうだ。

https://art.parco.jp/galleryx/detail/?id=1709

ギャラリーの中は最初は狭いと思ったが、20人入っても混雑しているという感じでもなかったので意外と広いのだろうなと思う。作中に出てくるいろいろなアイテムがネタに飾られていたのとポスターパネル、はーとぶれいくとプロトコルの等身大?のイラストなどあっていろいろと良かった。詳細は案内を見ていただけるとわかるし行ったときの楽しみということもあるのであまり詳しくは書かないけど、ハロウィンライブの時間表が書かれてるホワイトボードにクワハリさんと出内さんの手書きのイラストが描かれているのが見られて良かった。

入場料は500円で入場特典があり、購入したのはクリアファイルセットと「青春診断」のガチャだけだったのだけど、後で見たら缶バッジが結構人気らしく厘と彩目のものが売り切れたようだ。缶バッジというのは進撃の巨人が流行っていた頃になんでもグッズを買っていた中にあったのだが、いまいちどう楽しむものかよく分かってなくて最近は買ってない。青春診断はおみくじとお守りが入ったガチャが出るのだが、お守りはもちろんはとっちの絵柄、おみくじは厘が出て「機熟」と言っていたので予想通りすぎて可笑しかった。他のガチャにはどんなのが入っているのだろうか。

後面白かったのはロッカーの中を覗くという背徳感のある企画で、鳩野のひどい点数の答案とかが入っていた。持って帰らないんだな。(笑)それぞれ今まで作品中に出てきたアイテムやこの子はこれをロッカーに入れてそうだという感じのものが入っていた。教員時代にロッカーの中を検査したり卒業したのに起きっぱなしにしている子の中身を取りに来させたり、みたいなことを思い出したりしていたが、高校ってこういうもんだよな、みたいな感じがあって良かった。大体いたのは20分くらいだったけどなかなか楽しかった。

どこかでお昼を食べるか考えたが、その後の日程もあり結局すぐ半蔵門線に乗って大手町まで行き、半蔵門線と丸の内線の改札口から東西線の間にある成城石井でお弁当を買って帰った。帰宅したのは12時半くらいだったか。お昼を食べて少し休憩。

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今「ふつうの軽音部」4巻あたりを読み直していたのだが、鷹見兄と鳩野は共通点も多いけれども大きく違うのは鷹見兄が基本的に楽観主義なのだけど根にトラウマやコンプレックスを抱えているから脆いのに対して鳩野は根がネガティブなので高望みをしないから結果的に地に足がついた思考になる、というところが大きく違う。鳩野のトラウマやコンプレックスは新しいところに踏み出すときにそれにブレーキをかける形で働くわけだが、「軽音部に入るためにテレキャスターを買う」という1話の一大決心のあとは新しい局面に踏み込むのは鳩野ちひろの崇拝者である幸山厘に振り回される形でどんどん話が進む、という展開になっていて、この狂言回しとしての幸山厘の存在が面白くてしかもキャラクターに新しさを感じるところがこの作品の大きな魅力になっているのだなと思う。

鷹見兄のコンプレックスやトラウマが「自分の夢について来ないから」とか「自分のわがままに付き合わせたくないから」という方向に働いて人間関係を切る方向に働いているのが今の展開の苦しさなわけだけど、鳩野は基本的にネガティブだからこそなのか、うまく行っていると自分の努力よりも周りの助けや支えがあったからこそこうなってるんだ、と文化祭ライブの前に回想していて、こういう人は強いよな、と思った。

もちろんそれが必ずしもいい方向に働くわけではなくて、最初のバンド「ラチッタデッラ」ではヨンスたちのいい加減ぶりや演奏のレベルの低さに頭にきていたのに、「はーとぶれいく」最初の合わせの演奏では「すっごいいい感じじゃない?」と言って彩目に「いやどこがやねん!鳩野お前ギターひどいな!」と指摘されていて、つまり自分が満足するレベルも低い、ということが起こっているわけである。しかしこれも、彩目という「音楽レベルの高い・要求水準が高い」演奏者が加わったことでバンド全体のレベルが向上し、また鳩野もレベルの差を痛感することでより練習に打ち込む、という好循環が生まれたわけである。

鳩野はそういう指摘に対しては素直だし真摯なので言われた通りに頑張るわけだけど、そういうことができるのも一つの才能であって、だから彩目もそれを信頼し、「あんまり要領いい方じゃないしできるようになったと思ってたことも気づいたらまたできなくなってる」と分析しながら、「練習せえ。いつかはうまくなるから」と言えるわけである。

夢の持ち方もまた、文化祭の1日目に倒れたあと2日目に起きた後見ているテレビで武道館でライブという夢を叶えたバンドが出てきているのを見ていても何も反応せず、その日の後夜祭ライブで見たたまき先輩のトリの演奏に憧れて、「この舞台に立ちたい」という目標を持つわけである。ネガティブな人の思考というのがそのように働くものなのかどうか、よくわからない、というか自分はむしろ鷹見兄の方に近い感じになりがちなのだけど、原作者のクワハリさんが「鳩野は自分に似ている」と言っていることから、そういう作者さんの中の自己同一性によってこのキャラクターの存在の説得力が生まれている、という部分があるのだろうなとも思った。

ということをこのところ考えていたので少し書いてみた。

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2時半ごろ家を出て、近くのローソンに併設のスタンドで給油。単価が169円なのでだいぶ下がってきたなという印象。水とカフェラテを買って出発。9号深川線から向島線、都心環状線、4号新宿線と割と順調。新宿あたりから幡ヶ谷の合流で少し混雑したが、あとは比較的順調に行き、石川PAと境川PAでトイレ休憩(ファミマでソイジョイは買った)だけして実家の地元まで走り、まだ明るいうちに着くことが出来た。書店で少し本を見て、スーパーで夕食の買い物。家に着いたのは6時半くらいか。夕食を食べて録画機からBDに「ユーベルブラット」をダビングしたりしていたら寝落ちしそうになったので早めに就寝。今朝は4時過ぎに起きたがよく寝た感じだった。

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ウクライナの情報機関が仕掛けたロシア空軍基地へのドローン攻撃、これは世界をアッと言わせたわけだが、「独立さえ怪しい小国」が踏ん張ってロシアを相手に堂々と戦っているということがプーチンやトランプに見られる大国中心の世界観に認識を改めさせつつあるという指摘があり、なるほどそれはその通りだと思いつつ、でも要するにそれは明治維新以来日本がやってきたことだよな、と思った。

中国に勝ちロシアに勝ち、アメリカには敗れたけれども経済的にアメリカを圧倒し、バブル後の金融配線で低迷時期には入っているが、ウクライナの健闘は響いている日本人もいるのではないかと思う。まあ私もそうなわけだけど。

ウクライナもいろいろと問題がある国家であるのは確かだが、とりあえずはロシアを打ち破ってそれからまた問題を解決していってもらえるといいかなとは思った。

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いろいろと今後の方針を考えていたのだが、その辺はまた書く時が来たら書こうと思う。結局のところ、「マンガの可能性」を信じているところと、歴史を学んだ立場を足掛かりにして文化論文明論を深めて何か世界の役に立ちたい、というようなところは結局は変わらないのだなと思う。ナイジェリアのこと、アフリカのことに注目する機会もあり、この辺りについてもいろいろ学んで書いて行けたらいいな、とも思っている。


渋滞にはまる/江戸時代の支配思想は何か/ウクライナの大戦果/「ふつうの軽音部」68話:鷹見兄と鳩野の明暗の分れるところ

Posted at 25/06/02

6月2日(月)晴れ

昨日は午前中ブログ/noteを書くのに手間取ってしまい、実家を出るのが12時になってしまった。それでも3時半ごろには自宅に着けばいいなと思って出たのだが、やはり日曜の午後はかなり地元の道も高速も混んでいて、境川PAでご飯を食べたのが1時半、PAを出たのが2時過ぎになって笹子トンネルのあたりからもうかなり車も多く、談合坂の手前から渋滞が始まり、そのままかなりノロノロになった。いつもは石川PAでトイレに入るが早めに行こうと思って藤野でトイレに行ったのが何時だっただろう。小仏トンネルの中でようやく一度渋滞が解消したが、八王寺の料金所を過ぎたら再び渋滞。あとは初台あたりまで混んでいて、山手トンネル勢がいなくなってようやく順調に流れた。あとの首都高は順調だったが、結局自宅に帰れたのは5時。ずっと曇っていて途中でけっこうライトをつけたりした。やはり午前中に出ないとだめだ。日曜にどれか行こうと思っていたコミティアもミロ展もタケウチリョースケ展も結局行けなかった。

家に帰ってたまった郵便物を持ち帰り、処理していたら棟の違う人宛の郵便物があり、どうしようかと思ったが直接届けた。向こうも面食らっただろう。前にもこういうことがあったが、配達の人はしっかりしてもらいたいと思う。それにしても表札に名前を出してない人が多い。これじゃ間違えるかとは思うが、迷惑だなと思うし、自分の郵便物も間違って届けられていることもあるのかもしれないと思ったり。

まあなんだかいろいろあって疲れたが、太陽フレアでオーロラが見えるかもという情報が出て来たので、まあ太陽フレアのせいだ、ということにしておこうかなと思った。まあ昨日は仏滅でもあったのでお日柄も悪かったと。

気分直しにどこかに出かけようと思っていろいろ考えたが結局日本橋に出かけ、高島屋の地下を見たり。いつも買っているコーヒー豆の店をのぞいたら値段が爆上がりしていて思わず笑ってしまう。丸善に行って本を見たがこれというのがなく、日本橋を渡って室町のタロー書房に行っていくつか立ち読み。

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前田勉「近世日本の支配思想 兵学と朱子学・蘭学・国学」(平凡社ライブラリー、2025)が面白そうだった。江戸時代の支配思想は通常朱子学と言われているが本来理を重んじる朱子学は江戸時代の武威による支配体制と折り合わず、むしろ実用的な兵学思想こそが支配思想だった、という話でこれは面白いかもという気はした。買うかどうか迷ったが税抜き1900円で買って読む価値があるかはもう少し考えようとその時は思った。思想的にはちょっと自分と違うところはあるなとは思ったし。しかしどちらにしても読んでみないとわからないところも多いはずだから、今日どこかで買おうと思う。

ぱらぱら見た感じで印象に残ったのは人には役割があってその役割を果たさないのは「役立たず」であると強く非難される、というのはなるほど現代においてもおそらく日本人には強い考え方だなあと思う。新自由主義が強まったせいでそうなったのかと思ったが江戸時代から日本人の底流にそういう思想があると考えると割合そうかもと思えるところはある。「無用の人」がなぜアウトローにならざるを得ないのかとか、江戸時代における公家の屈折ぶりとか、そういうのも考えだすと関係するんだろうなと思う。どこまでその辺が展開されているのかは読んでみないとわからないが、自分が気になったのはそういうところだった。

江戸時代の兵学者で時代に大きな影響を与えたと言えば吉田松陰がいるわけで、彼はもともと長州藩の山鹿流兵学師範なわけである。そのあたりも何か書いてあるのか、読んでみたい。

書店を出て三越の地下で何か夕食を買おうと思ったらもう閉まっていて、iPhoneを見たらもう8時前だった。日本橋は終了時間が早い。高島屋地下の営業時間ももう終わっていたので結局地元に帰ってイキイキで夕食を買って帰った。久しぶりにコロナビールを一本買って飲んだ。

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私のタイムラインでは、ウクライナのUSB(KGBの後進)によるロシアに対する大規模なドローン攻撃の話題で持ちきりになっている。

https://x.com/shamilsh/status/1929153396918927371

最初はウラジオストックがやられたという話だったが、それだけでなくシベリアのいくつかの航空基地で爆撃機が攻撃にさらされ、400機以上が失われたのだという。軍事クラスタの人たちが戦慄しているのは無人ドローンを搭載したコンテナ車を使って基地近くまで送り込み、遠隔操作で空軍基地を攻撃するというその手法で、これをやられたらほとんど攻撃は避けられないだろうということのようだ。この攻撃の評価はそれこそ専門家でないのでわからないところはあるが、真珠湾攻撃に例えている人もいたくらいだから相当なインパクトはあるのだろうと思う。

基本的には人的損壊があまりひどい徹底的な空襲作戦や地上作戦よりもこういう兵器に照準を絞った攻撃の方が西側にもウケがいいのかなとは思ったのだが、これで局面がどう変わるのか、しばらくは様子を見ないといけないなと思う。しかしいかにも旧ソ連諸国同士の戦争だなとは思う。

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「ふつうの軽音部」68話の感想を少しだけ。

https://shonenjumpplus.com/episode/17106567266123221257

鷹見過去編のクライマックスだが、兄のバンドがうまく行かなくなって父と兄が取っ組み合いをしているという状況。父は兄に「お前のバンドが人気になったのは誰のおかげや」と尋ねる。それは兄のバンドの高校同級生の二人が宣伝や集客に頑張っていたおかげだと。父はこっそり兄のライブを聞きに来ていて、ふたりに頭を下げて「バンド以外何も続かないボンクラですが、どうか今後もよろしくお願いします」と言ったのだという。兄がその二人を「プロになってバンドを続けていく意思がない」と首にしたので、バンド活動自体が行き詰っていたのだ、という真相が明らかにされる。父は普通の意味でいい父親だとは思うが、兄を言い訳しようのないところまで追いつめてしまったことも事実で、何というかどうにもならんなと思う。

そして「あたしの神やから」と慕ってくれていたベースの糸にたいしても自分は東京へ行く、「今のバンドは解散ってことでこれでおまえとはさよならや」と告げる。糸は自分の思いを告げるが、兄は「男の趣味なかなか悪いぞ」と自虐を告げて去る。そしていよいよ状況の時に鷹見は兄のことが心配になり、思わず「いい加減大人になってくれよ、兄貴には食っていけるほどの才能はないねんて!」と言ってしまう。兄の目が暗くなるところで続く、となった。

いやまとめてみたが書いてある通りなのでそれ以上何も感想を言いようがない。憧れだった兄を、「ふつうである自分」から見て「ふつうに生きられない兄」を心配しての言葉なのだが、まだ中学生だった鷹見にはそれが兄にどう聞こえるかまでは考えられなかったのだろう。既に別れの時の言葉は「お前はふつうに生きてくれ」だったことは分かっているから、決裂で終わっている。その後悔を鷹見はずっと引きずっているわけで、それが彼の性格にも大きな影を落としているということなのだろう。

鳩野のボーカルを聴いて鷹見は何度も兄のことを思い出しているのだが、鳩野と兄とはたくさんの共通点があり、鷹見は鳩野を見ていると兄のことを思い出さざるを得ないところがある、というのが物語の構造として明らかになってきているのだけど、読んでいる立場としては鳩野のビビりではあるし浮かれて舞い上がるところはあるが基本的にネガティブ思考であるのでそういう意味では地に足がついた性格であることを知っているから、鷹見兄のようになってしまう心配はあまりしないわけだけど、鷹見としてはなぜ鳩野が安定して伸びてきているのかは気になるということかもしれない。そこのところを確かめて兄に対する思いを吹っ切りたい、というのが鷹見が鳩野たちに「勝負」を持ちかけた理由なのかもしれないなと呼んでいて思ったのだった。

今日はこんなところで。

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